飲食店の開業に必要な資金計画は以下の4つに分けられます。実際にどれくらい利益が出るのかなど、資金面の計画をしていかなくてはいけません。では、実際にどのように下記4つの計画を練っていくのかを説明していきます。
一般的に、飲食店の開業に必要な投資金額は1坪あたり100万円前後と言われています。しかし、この金額は業態や物件状態(スケルトン・居抜きなど)によって変わりますので、15坪のお店だとしても、単純に1,500万円前後になるというものではありません。
投資額を低く見積もってしまうと、予算から大きく足が出てオープンできなくなることも。予算がオーバーしたときに困らないためにも、投資額は事前に検討して、融資金額も考慮しておくようにしましょう。
開業資金の内訳
物件開発費 | 物件を取得するための費用 |
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店舗工事費 | 店舗内外装、家具、厨房機器、設備を整えるための費用 |
開業諸経費 | 販促物制作・什器・備品などの費用 |
運転資金 | 開業前の人件費、開業後に継続的にかかる費用 |
1日の売上高を試算して、次に定休日を引いて1ヶ月でいくら売り上げられるのかを試算してみましょう(ランチ営業をする場合は、ディナーとランチで分けて算出して1日あたりの売上高を算出してみてください)。
1日の売上高の出し方
売上高=坪数×座席係数×満席率×回転率
※座席係数・・・1坪につき何席設けられるかという数値
※満席率・・・満席時に全席数の内、何名の客が座っているかを表す数値
梅雨など客足が遠のく時期や、平均的な売上が期待できる時期、給料日後など客足が好調な時期を予測して、年間の売上金額を出してみましょう。
損益計画を立てるにはまずランニングコストを確認していきます。飲食店の経費項目は、変動費と固定費に分けられます。
変動費 | 売上の変動により額が変わる費用のことを指します。 人件費 水道光熱費 販売促進費 その他(事務用品など消耗品) |
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固定費 | 売上にかかわらず額が変わらない用のことを指します。 家賃 その他(支払利息やリース料、固定契約料など) |
全額を自己資金として用意できるのが理想ですが、それは難しい話。そこで新規開業者の多くは「公的融資」を利用します。
■ 各リースご紹介
■ 工事代金の分割支払い
■ 公的融資の種類
日本政策金融公庫 | 中小企業などを対象にする政府系の金融機関 |
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地方自治体融資制度 | 都道府県や区市町村などが実施している融資制度 |
その他、親族からの借り入れや出資を募る方法など、場合によっては金融機関以外からの資金調達も視野に入れながら資金調達計画を立てていきます。
資金調達の見通しがついたら、次は借りたお金をどのように返済していくのか、返済計画を立てていきます。
黒字倒産とは、利益が出ているにもかかわらず、借入金の返済ができずに倒産することです。これは、税務上は借入金の返済は税引き後利益からしかできないということが理由になっています。店がうまく経営できても倒産しては元も子もありません。現実的で無理のない返済計画を立てましょう。
資金計画は店舗開業において根幹ともいえる部分。何度も計画を練り直すこと、客観的に計画を見直すことでブレのない計画に近づいていきます。何度も計算を行い、ブレのない数値を出して店舗づくりを進めてください。